「うっせえわ」を知っている40代以降の方はどれだけ居られるだろうか?
お恥ずかしながら蛇の目は3月初めまで全く知らなかったし、聞いた瞬間は単なる雑音にしか聞こえなかった。
3人の10代の娘さんを持つ同世代の友人に聞いたら「娘たちがみな聞いている」ので当然知っている、との事。
知ってから1ヶ月、雑音にしか聞こえなかったうっせぇわは、有線で流れると口ずさんでしまうほど自分の心の中に入り込んでいたマジックソングである。
そして以下の下りの説明にはなるほどと思ってしまった。
若者は、LGBTQと同程度にマイノリティ
結論先取的に聞こえたかもしれないので、いくつかの補助線を引いておこう。私は単に年長世代を否定したくてこの記事を書いているわけではない。だが、いやだからこそ、せっかく本稿を読んでくださっている人に、どうしても知っておいてほしい事実がある。
それは、現代の日本社会において、若者はマイノリティだということだ。
筆者が5年前から東京大学で開講している講義「ボーカロイド音楽論」の中では、必ずセクシュアル・マイノリティについて触れる。国内外にさまざまな調査があるが、人口の8〜10%がLGBTQなどのセクシュアル・マイノリティに該当すると言われる。
対して、現在の日本の10代(10〜19歳)の人口は約1100万人。日本の総人口(約1億3000万人)に占める割合は8%程度ということになる。セクシュアル・マイノリティの割合と同じくらいなのである。
「社会がセクシュアル・マイノリティを存在しないもののように扱うことは、あなたたち10代全員を存在しないもののように扱うことと等しい。それがどれだけ暴力的なことかわかりますよね?」